パラグアイ

日本を撃破したことで日本での知名度も上がったパラグアイ。できれば上まで頑張ってほしいよねってのが日本人の心情かな。そして、相手はヨーロッパ王者スペイン。パラグアイにとっては組みしやすかったんじゃなかろうか。日本戦のようにボールを自分たちが持つよりは相手に持たせるサッカーを得意とするパラグアイ。圧倒的なポゼッションが信条のスペインは合致する相手だよってことで。

序盤から見せたディフェンスは見事だった。あれはこれからスペインに対抗していく上での各国のお手本になりそう。当然スペインもそのままではいないだろうけど、でもスペインを封じるには今のところはあれが一番かなっていう。
あ、スイスが見せたひきこもりでもいいですけど。フィジカル的に優位ならスイスかな。そうでもないようならパラグアイのようにひたすら走らないと。

オフサイドで取り消されたゴールが認められていればパラグアイは勝てたかもしれない。でも、恐ろしく走りまくっていたので前半の終りのほうから疲れが見え始め、後半はやばいかなって雰囲気が漂っていた。

で、日本戦では最後にしっかり決めてくれやがったカルドソがPK失敗したり、いろいろあってアロンソも結局PK失敗したりで流れがどっちつかずな感じになる。

後半の頭から仕切り直しを図って前プレを再開したパラグアイだけどこうして点がとれないとやる気もなくなるよってことで4-4でひきこもる感じになる。スイス作戦。
でもパラグアイはなんでだろうか、4-4のラインが高すぎる。これじゃ引きこもってるって言えない。やはり慣れないことはするもんじゃないんだろうかねってことでセスクとペドロを投入してバルサスタイルを完成させたスペインにやられてさようなら。

パラグアイは運がなかった。ってまあPKのこともあるし運があったのかな。とにかく勝ってもおかしくなかった。
その状況を作れたのはマルティノ監督のおかげ。アルゼンチン人だけどパラグアイに移住してずいぶん長いらしい。アルゼンチン人はいい監督が多いな。マラドーナは別として。

アルゼンチン

マラドーナが愉快すぎるこのチーム。攻撃すれども点がとれなかったりなぜか大量得点したりと何かと不思議の多いチーム。
前線の4人は攻撃、残りで守り、っていう完全な攻守分断型チーム。でもこういうチームって11人でサッカーしてくるチームに弱いんだよね。ってことで相手はドイツ。

ドイツはアルゼンチンにボールを預けてくれたし、攻められたのだけど攻めきれずに負けた。ようはアルゼンチンの力負け。
メッシが点をとれなかったって主張は不当だと思います。いや、点とれるなら取るにこしたことないし、チャンスはあったから何とも言えないけど。
ただ、ベロンが抜けてからはメッシは点を取る仕事よりボールを運ぶ仕事を担いました。なので点は取れてなくていいのかなって感想。

で、メッシがボールを運べればそれでいいのだけど、運ぶ係がメッシの日じゃなかったら誰が運ぶのか、ドイツ戦ではテベスがメッシの助けを借りながらこなしていたのだけどそれがうまくなかった。

ビルドアップに期待できない、というかそのことをはなっから考えてないチームにとって中盤でボールを運べないってのはすなわち死を表すわけで。

やっぱり今の時代に攻守分断は無理があるんだよっていうサッカー界の教訓になったのでよしとしよう。ならなぜ、メキシコは負けたってなるけど。
ちなみにサネッティカンビアッソのCL優勝組をマラドーナが少しでもリスペクトしていれば結果は違っていただろう。決勝でコパの仕返しができたかもしれない。ブラジルも負けたけど。

ブラジル

ここでお前も散るのか。優勝候補として挙げたチームがベスト8で消えるという失態。
ドゥンガが率いたブラジルはおそらくいままでで一番現実的で、一番負けなそうで、でも進化途中だった。

何がいけなかったんだろうか。
おそらく試合を読む力かなー。オランダ戦は球際での競りをことごとくファールと判定されてしまったのでカウンターがうまくいかないことが多かった。別に審判の判定が厳しいってことはないんだけどさ。

あとはコパのときに見られた守備の連動性。前線の3人はドゥンガから守備のタスクを与えられて忠実にそれを守っていたのだけど、後ろが付いてこなかった。オランダも同じ現象が起きていたのだけど、すんでのところでつなぎとめたファン・ボメルがブラジルにはいなかった。

サイドを有効に使えなかったのも痛い。マイコンとダニが連携して攻略する場面は見事だったのだけど絶対数が足りなかった。リッキーとロビーニョの2トップにしてサイドを攻略できる選手を置いたほうが頭よかったな。
まあ オランダのカイトを生贄にしてマイコンを殺す作戦も見事だったけど。今までのオランダじゃあそこまで吹っ切れなかっただろうね。

次はホームカントリー。もちろん次は優勝してくれるんだろうけど、カカはもういないだろうな。

チリ

僕のダークホース本命でした。なんといってもビエルサならなんでもできちゃう気がした。
特に全員サッカーで常に攻撃しまくる姿勢は最高に見ごたえがありましたよね。

で、ベスト8の相手はブラジル。南米予選では2合計7失点もしている。
ビエルサはもちろんいやってほどブラジルの恐ろしさをわかってるはずだ。

その恐ろしさがチリの攻撃に影を落としたかなーと。前線はいつものように怒涛の攻撃をしかけるのだけど、後ろがついてこない。カルモナやDFラインの特攻がもっとあったはずなのに。
ブラジルのルイス・ファビアーノ、リッキー、ロビーニョが前線から戻る素振りすらないので攻めるに攻められないってのはわかるんだけどね。

その割にはブラジルの特別な選手たちにカウンターを許してたけど。なれないことをしている+出場停止が多いってことでうまく守れないチリ。守備の人たちがちゃんと守備してるのにそれが慣れないことしてるっていわれちゃうのもチリらしいね。
いつものチリのディフェンスはめちゃめちゃ縦に速い速攻でゴールに雪崩れ込みまくる攻撃。攻撃。攻撃が最大の防御を地でいくチームである。もしボールを奪われても攻守の切り替えをめちゃめちゃ速くすることによってボールをすぐに奪い返す。

ブラジルのチリ攻守分断作戦も痛かった。
もしブラジルがチリに斬り合いを挑んで速攻をしかけてきたならばチリにもチャンスはあったかもしれない。でもドゥンガが作り上げた王国はそれを許してくれなかった。
ゆったりとボールをおちつかせてから、DFラインからのビルドアップで前線に一気にボールを供給していた。チリの前プレもロングボールの競り際もブラジルがフィジカルとテクニックをふんだんに使ってことごとくかわす&競り勝っていた。

んで先制点を献上してからは元の戦い方に戻るのだけど、それはすでに予選で負けたやりかただよってことでカウンターくらって終わり。
チリがやりたいサッカーをむしろ王国に見せつけられるという嫌な結果になりました。

チリとしては前半最初に奇襲をしかけた時に点がほしかったね。
あとは少しディフェンスを意識したことによってブラジルに主導権を渡してしまったのが痛かった。自分たちの思う通りにできれば王国が負けるわけがない。
3-4で守るブラジルに対して4-3で攻めるチリはもう少し攻撃のテンポをかえて攻撃できれば点もとれただろうに。そこはまだ未熟だったかしらね。